老犬のトリミングが断られた方々について

ここ最近、老犬のトリミングをお願いする飼い主さんが増えてきているので、

話を皆さんに聞いてみたら、

1.今まで年5回以上行ってた常連さんでも「年齢のため出来ませんって断られた」

2.決まったサロンには行ってなくて「年齢を聞いて断られた」

3.「電話予約の時に年齢で断られた」

4.初めてのお店で「来店して年齢聞かれて断られた」

5.「ワンちゃんの見た目(状態)で断られた」

おおまかにこの5つで断られてました。

 

ここからは1人のトリマーしての考えですが、

1は私たちトリマーに問題があると思います。

今まで来ていただいてるお客様のワンちゃんを年齢のためにお断りするのは、その後そのワンちゃんの事を全く考えてないと言ってもいいぐらい無責任な対応だと思います。

 

まず、私たちトリマーは飼い主様とワンちゃんの信頼の上に成り立ってる職業で、飼い主様とワンちゃんに認めてもらってトリミングしているのに、ワンちゃんの年齢だけのために断るのは余りにも無責任すぎる対応だと思います。

 

今まで来て頂いているお客様だからこそ、そのワンちゃんのトリミングデーター、病気履歴、癖、嫌いな場所など分かっているので、老犬になっていけば、このワンちゃんは個々が嫌がるようになるから、こんなカットにしていきましょうという提案とか、飼い主様もワンちゃんの事を考えて負担の掛からない生活しやすいカットを希望されたりします。

 

高齢犬を預けてトリミングをお願いして下さる常連のお客様との信頼に応えるトリミングをする事で高齢犬トリミングのスキルアップにも繋がることになるはずなのにこのスキルを要らないトリマーさんなのですかね?

 

今、トリミングを任せているサロン(トリマー)さんが何歳までトリミングをしてくれるのか聞いてみてある程度の年齢でできないって言われるのなら早めにお店を変えてあげてください。高齢犬になってお店を変わるのはワンちゃんの負担でしかありません。

 

2~5は飼い主さんにも責任があると思います。

なぜなら、ワンちゃんの一生涯信頼できるサロン(トリマー)さんを見つけてないからです。

 

私たちトリマーも高齢犬をトリミングする時に考えるのがそのワンちゃんへの負担を一番に考えるので、一度もしたことがないワンちゃんは病気履歴、癖、嫌いな場所などが分からないのである程度の年齢になればリスクが大きすぎて中々、はい出来ますよって言えるトリマーさんは少ないと思います。

 

2~5のこう言う飼い主さんの中にはトリミングを簡単に人間の散髪とか美容院の感覚でお話しされる飼い主様もいますが全くの別物だと思ってください

 

散髪とか美容院なら一番最初に大体の感じのカットとかパーマならパーマのカールを巻くとかして次にシャンプーブローして仕上げていきますよね、この時は私たち人間は椅子に座って、後は美容師さんが髪を手入れしてくれてますよね。

 

トリミングはワンちゃんをトリミングテーブルにのせて爪切り、耳掃除、足裏バリカン、モツレ取り、カットする子の大体のバランスカットしてシャンプーブローして全身の仕上げカットになりますが、これはワンちゃんがほぼ立ってます。

 

トリミング内容を人間が体感したいのであれば

シャンプーは5kg位の小型犬で5分~10分ぐらい掛かります。これを人間に当てはめたら約1時間ぐらいシャワーを浴びたり体を洗ったりしていることになります。

 

ブローは人間と同じドライヤーで乾かしても人間なら髪の一部分に風が当たりますがワンちゃんの場合は体の何分の一かの面積に風が当たります。業務用のドライヤーなら面積はもっと大きくなります。(人間が体感するなら大型の扇風機から熱風を出してる感じ)

 

カットは同じ場所でワンちゃんに立ってもらわなくては切れない場所も有るのでカット中はほぼ立ってもらいます。これを人間が体感したい場合は同じ場所で動かずに1時間以上立っててください。

 

この事を考えたら人間と同じでワンちゃんが楽とは言えませんよね。老犬になればなるほど体力は奪われます。

 

トリミングはワンちゃんへの負担が掛かることを考えてもらって若い時から安心できるてワンちゃんの生涯のトリミングを任せられられるトリマーさんを見つけてそこの常連になってください。

そうすることでワンちゃんのトリミングデーターも有りますので高齢犬になっても断られることなくそのトリマーさんにお願いできますのでワンちゃんの負担が掛からないトリミングをしてもらえます。

 

 

サマーカットについての注意点(引き起こす病気など)

この時期に4~9月にワンちゃんを短くカットするのは涼しそうでいいですよね。
でも、注意してほしいのが、どんなワンちゃんでも短くして良いのかって言われると、答えはNoです
まず、毛の長さが一定以上伸びないワンちゃんはカットするのはお勧めしません
(ポメラニアン、チワワ、ダックス、シェルティー、パピヨン、などなど)

 

おススメしない理由
1.毛が生えてくる時にオーバーコート(固い毛)が先に生えてきて、アンダーコート(柔らかい毛、産毛)は生え変わりの時期まで余り伸びて来ない、このためカットして1.2か月でかなりみすぼらしい姿になります。
ポメの背中ポメ全体

左側が背中からの写真です。アンダーコートとオーバーコートの境目がハッキリと見えますよね
右側が全体の写真です。胸とお尻の方もアンダーコートとオーバーコートの境目が見えますよね

2.短くカットしたら毛が抜けなくなっていると思っていてワンちゃんの手入れをしない飼い主様がいらっしゃいます。
でも、これは病気を引き起こす原因の1つです

短くカットしたワンちゃん達は涼しいのかと言えば暑いのです。
地面の反射熱は人間にはあまり感じませんが、地面のコンクリートとかアスファルトを直接触ってみてもらったら熱いのがわかると思います。
ワンちゃんは地面に近い位置で歩いていて、その反射熱を直接受けてます。

人間がこの暑さを体験するのは夏場の海辺ですね。
この海辺に日焼け止めクリームも塗らない状態で水着だけで過ごすようなものです。
この状態で皮膚の弱い人なら日焼けにより皮膚が爛れますよね、この状態をワンちゃんに当てはめてください。

この反射熱とか直接の紫外線によりワンちゃん自体のホルモンバランスが崩れて皮膚病を引き起こすことが有るのです。

病気的には
*ホルモンバランスの異常による脱毛
*脱毛症X
*毛刈り後脱毛症
この時期に毛が生えて来なくなるのはこの3種類の病気が疑われます。

 

*ホルモンバランスの異常による脱毛

これは、甲状腺、副腎、生殖器から分泌されるホルモン異常が原因と言われています。
ホルモンバランス異常になることにより、毛の換毛サイクルが休止状態になり毛が生えて来なくなります。
頭部や四肢には毛が残り、後は抜け落ちてしまうようです。

 

 

*脱毛症X

ホルモンバランスの異常による脱毛と同じ全身脱毛が見られる病気です。
これこそ最も厄介な病気だと思います。
なぜなら、この脱毛症Xになる原因が未だに分かっておりません。
なので脱毛症の後にXと名付けられております。
頭部と四肢は毛が残り、後は抜け落ちてしまいます。脱毛している部分の皮膚は黒くなっています。

 

 

*毛刈り後脱毛症

トリミングなどで毛を刈った部分の毛が伸びて来なくなる病気です。
毛をカットした部分のみ脱毛して、その部分の皮膚は黒くなります。
原因は毛をカットすることで皮膚の温度が変化して毛のサイクルに影響を与えているのではと考えられています。
通常なら1年ぐらいで自然に発毛してきます。

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上の画像(2013.5.1)の子の約1年後(2014.7.5)です。
やっと毛が生えだしてきましたが、まだまだ元には戻っていません。

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さらに半年後(2014.12.23)
元の毛量までもう暫く掛かりそうですよね。

 

この3つの病気がサマーカットで引き起こされるかもしれない病気です。

下の写真は3つの病気の症状が似ていますが、この状態でもう数年たっていますので、
ホルモンバランスの異常か脱毛症Xの皮膚病だと思います。

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こんな状態にならないためにも
もし、サマーカットをされるのならば、上記の状態にもなる可能性が有るという事を覚えといてください。

 

サマーカット後の手入れ、生活は、
1.日中の暑い時間帯に散歩に行かない。
2.直接紫外線があたる場所にワンちゃんを置いとかない
3.散歩に連れ出す時は服を着せて紫外線が直接当たらない様にしてあげてください。
4.服も着せたままにしない(着せたままは皮膚の油が回って皮膚病の元です)
最低でも、この位は気を付けてあげてください。

 

ワンちゃんの抜け毛(死毛、換毛、アンダーコート)対策道具

ワンちゃんの被毛は一年中抜け替わる犬もいますが

大体は春から夏にかけてワンちゃん達は冬毛から夏毛に

生えかわりが始まりますよね。

その時に大量に抜ける毛に飼い主様たちは結構悪戦苦闘していますよね。

*毎日、掃除機掛けるけど部屋の片隅で毛が舞ってるとか

*服に抜け毛が付いて大変とか

*抜け毛でワンちゃんにの見た目が変とか

*抜け毛が色々なものに付いて大変とか

何気に皆さん苦労してますよね。

でもね、それは綺麗にブラッシングが出来て無いとも言えるのです。

綺麗にブラッシングが出来てたら抜け毛は格段に減りますよ。

ここでは有効な道具の使い方を紹介します。

犬種に合わせて使ってみてください。

抜け毛対策の道具一覧

コーム

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コーム

中~長毛のワンちゃんに使います

持ち方

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コーム握り方

力が入らないように櫛の端を持ちましょう

使い方はコームを皮膚に対して垂直に立てて毛並みに沿って動かします

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コーム使い方

ただし、コームが途中で止まったらその場所がもつれているので力一杯引っ張るのではなくその場で止めてください

もつれを他の道具で取ってからまたコームに持ち替えてといてください

スリッカー

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スリッカー

 

短~長毛まで全てのワンちゃんに使えます

持ち方は卓球のラケットと同じ持ち方です

正しい持ち方

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スリッカー握り方 上側
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スリッカー握り方 下側
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スリッカー握り方 上側 その2
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スリッカー握り方 下側 その2

ダメな持ち方

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スリッカー ダメな持ち方

 

使い方は

ふんわりさせたい毛は毛を分けながら毛並みと逆方向にスリッカーをあてます。

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スリッカー 使い方 ふんわり

しっとりさせたい毛は毛を分けながら毛並みに沿ってスリッカーをあてます。

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スリッカー 使い方 しっとり
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スリッカー 使い方 お尻回り

 

*ただし毛の途中でスリッカーをあてるのを終わらして
毛の根元に持っていかないこと

*スリッカーをあてる時は毎回毛先まで綺麗にあて終わり
毛とスリッカーが離れること

*もつれの部分はもつれの毛先から根元に向かって
少しずつスリッカーをあてていくこと

ピンブラシ

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ピンブラシ

中~長毛のワンちゃんに使います

使い方、持ち方は人間の道具と同じです。

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ピンブラシ 持ち方

使用方法は毛並みに沿って梳きます

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ピンブラシ 使い方

注意点は毎回毛先まで綺麗にあて終わり毛とピンブラシが離れること

スクラッチャー

スクラッチャー

短~長毛のアンダーコートの有るワンちゃんに使います

持ち方は普通に握って使います

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スクラッチャー 持ち方 上側
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スクラッチャー 持ち方 側面

使い方は、抜け毛の有る所に垂直に立てて抜け毛をかき出す感じで使います

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スクラッチャー 使い方

ファーミネーター

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ファーミネーター

短~長毛のアンダーコートのあるワンちゃんに使います

持ち方は普通に握って使います

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ファーミネーター 持ち方 上側
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ファーミネーター 持ち方 側面

使い方は皮膚に垂直に立てて毛並みに沿って軽く動かします。

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ファーミネーター 使い方

アンダーコートを抜くのはこのファーミネーターが一番手っ取り早く抜けます

ただし抜けすぎるので同じ個所をあてていたらハゲます

ナイフ

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トリミングナイフ

短~長毛のアンダーコートの有るワンちゃんに使います

持ち方は軽く柄の部分を握って人差し指で歯の上側を支える持ち方です

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トリミングナイフ 持ち方 側面
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トリミングナイフ 持ち方 下側

使い方は皮膚と水平に寝かせて毛並みに沿って使います

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トリミングナイフ 使い方 側面
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トリミングナイフ 使い方 上側

ファーミネーターで抜けないアンダーコートはナイフで抜けますが、

時間がかかります

 

 全ての道具に言える事ですが力を抜いてお使いください。
もし力を入れてお使いの場合はワンちゃんに使ってる道具で
同じ力を入れて自分の頭皮とか体で試してみてください。

ワンちゃんの気持ちが少しは分かるはずですよ。

タップで電話が掛かります