愛犬との旅行

休暇で家を空けるとき、犬を一緒に連れていくべきかどうか迷う飼い主は多い。

犬連れの旅は確かにすばらしい体験となりうるが、もしかしたらどちらにとっても、喜びより苦労のほうが大きくなるかもしれない。  

休暇旅行に愛犬を連れていくかどうか決める前に、犬の状態、交通手段、目的地の特性についてよく考えてみること。

神経過敏な犬、車に酔う犬、病気の犬や攻撃的な犬、発情期のメス犬などは、家に残すのが賢明だ。

車で旅行するのでなければ、選択肢は限られる。

障害者を助けるために特殊な訓練を受けた犬でない限り、犬は列車やバスの乗客あるいは貨物とは認められない国が多い。

航空機の場合は、大多数が犬の搭乗を認めているが、体高が25㎝を越える犬は貨物室に入れられるのが普通である。

目的地についてもよく考えておくこと。

行き先のホテルやキャンプ場は、犬を受け入れないかもしれない。

また旅行中ずっと愛犬との行動を共にする気があるだろうか?

犬はキャンプに行くのは大好きだが、飼い主が観光に出かけている間じゅう、慣れないホテルの1室に閉じこめられるのはいやなものだ。

外国に行く場合は、それも短期間の旅行ならば、犬を連れていくかどうかはよく考える必要がある。

検疫のために犬を隔離する国は多く、ときには6ヶ月という長期に及ぶこともあるのだ。

犬連れの旅行  

愛犬抜きでは休暇が十分に楽しめないと思うなら、もちろん一緒に連れていけばいいのだが、必ず周到な準備をすること。

乗り物酔いを防ぐために、出発の6時間前までに軽い食事を与え、水はこまめに与えるようにする。

この方法でも吐き気から解放されなかったら、今後の旅行には、かかりつけの獣医に薬の相談する。

たいていの犬は旅行に際して精神安定剤を飲ませる必要はない。

安定剤を飲ますと、航空機の貨物室に乗せられたときに呼吸困難になるおそれがある。

どうしても安定剤が必要ならば、獣医に相談するとよい。

事前に必ず家でその安定剤を飲ませてみて、様子を確かめること。

車の旅

車で旅行する際には、犬がきちんとその場に収まっているかを確認する。

犬用のシートベルトやクレートや柵などを使えば運転の邪魔にならずにすむし、急停車や事故でケガをする危険も減る。

2~3時間ごとに車を止めて、犬が四肢を伸ばしたり、排尿したり、水をん飲んだりできるようにする。

できるだけ普段の生活に近い状況を作ってやる。

食事も通常の時間に与えるが、旅行中は運動量が減るので量は控えめに。

車酔いするなら、その日の行程を終えてから与える。

暑い日には決して犬を閉めきった車の中に置き去りにしないこと。

車内の温度は数分でかなり上昇し、しばしば熱射病を招く。

車の中に置いていく必要があるときは、日陰に駐車し犬が逃げない程度に窓やサンルーフはできるだけ広く開けておこう。

空の旅  

動物に割り当てられるスペースは限られているので、予約が必要だ。

小型犬ならケースに入れて座席の下に置くことを許可している会社もあるが、大型犬なら貨物室に入れなければならない。

いずれにしても航空会社の認証を得たケースを用意する。

飛行機のストレスを軽減するために、直航便を予約し、旅行シーズンや極端な悪天候を避ける配慮が望まれる。

犬の一時預かり所

犬を置いていくことに決めたら、どこに置くかを検討する。餌をやり、散歩をさせ、相手になってくれる人が確保できるなら、自宅に置いておける。もっといいのは、留守のあいだ犬と一緒に家で暮らしてくれる人を見つけることである。

ペットの世話係を派遣してくれる、保険つきのサービスも多数ある。

家に置いていけそうにない場合、犬を預かって大切に世話をしてくれる病院や預かり所もある。

よいところを見つけるには友人や獣医に相談すればよい。

預けるときは、お気に入りのベットや毛布、いつもの食事とオモチャなども持参する。

慣れ親しんだ物といっしょだと犬は安心するので、変化への対応が楽になるはずだ。

旅行の準備

旅行地の法律に従い、愛犬を最大限快適にすごさせるため、犬連れの旅行をする際には必ず以下の準備を整えること。

1.最新の健康診断書、ワクチン接種証明書、病歴書 

2.獣医による出発直前の健康チェック、予防接種を受けていなくてかかるおそれのある病気についての情報収集 

3.定期的に飲ませる必要のある薬 

4.リードと首輪、認識票、鑑札 

5.食器 

6.旅行期間中の食事とおやつ 

7.たっぷりの水、なるべく家の物を持参 

8.ノミ取り用のクシなど、グルーミング用品 

9.オモチャ、お気に入りの寝具 

10.迷子になったときのための犬の写真 

11.用具一式の洗浄

タップで電話が掛かります